美しく、闇を斬れ。 盲目の侍珀は、目には見えない物が見える。 だが、目に見えるこの世界を見ようとしていない。 「この世は闇」 夜盗に襲われ、両親と両目の光を失った。 この世に希望を持っていない。 夜弥という侍に突然襲われ、一緒に旅をする緋色を捕われた。仕方なく、日本中のことがその目に見えるという“奇魂”を探すことになる。なんとか難を逃れたが、仲間と思っていた緋色に裏切られ、珀は刺されてしまう。最後の力を振り絞り、緋色を斬った。そして珀は力尽きた。 目が覚めると傷は癒え、珀は生きていた。 奇魂の奇跡?だが奇跡が起きても変わらないことがある。 珀の守護霊が現われて、珀に諭す。この世の見え方なんて、どんなときも自分の心次第と。